ASA認定調査者制度

1.趣旨

 近年は、石綿による健康被害の拡大に伴い、石綿関係規制が強化されています。とりわけ2020(令和2)年の大気汚染防止法および石綿障害予防規則の改正では、事前調査結果の報告、有資格者等による調査が義務とされました。事前調査での石綿含有建材の見落としは、作業者と周辺住民の石綿ばく露につながることはもちろんですが、発注者や元請業者の刑事責任が問われるおそれもあります。これにより、石綿に関する知見を持ち、的確な事前調査ができる能力を有する者の養成が社会的に広く求められており、当協会にも自治体他関係団体からそのような要請が寄せられています。それに応えるために当協会が開催する実地研修やスキルアップ教育に参加し、石綿に関する一定の知見を有する調査者をASA認定調査者として認定する制度を創設しました。今後は、自治体等への活用を促進してゆきたいと考えています。

2.概要

 ASA認定調査者は、通常の建築物の調査を行うために必要な知識と経験を学ぶ教育・研修を修了していることをもって、当協会が石綿に関する一定の知見を有する調査者であることを認めるものです。具体的には以下についての研修を受け、これらを実行する能力があることを認定します。

 認定調査者名簿は当協会ホームページで公開します。

  • 調査者としての倫理観を確立し石綿調査の公益性を理解し、業務に反映することができる。
  • 事前調査に関係する法規を理解し、関係する法規、通達、マニュアル等に従って業務を遂行できる。
  • 建築図面等から調査に必要な情報を読み取ることができ、書面調査を実施できる。
  • 調査に必要な石綿含有建材の知識を有し、基本的な建材を現場で特定することができる。
  • 調査に必要な時間と費用を的確に見積り、調査計画を作成し、依頼者に説明することができる。
  • 調査時の労働安全衛生に配慮し、試料採取を安全かつ適切に実施することができる。
  • 調査結果報告書を作成し、依頼者に説明することができる。
  • 石綿含有建材の除去の完了の確認を適切に実施することができる。

 ※ASA認定調査者になるための要件や、申請から認定までの流れなど 詳細はこちら